ページ内を移動するためのリンクです。

WWFの活動

世界初のMSCカツオ漁業認証を土佐鰹水産グループが取得!

記者発表資料 2009年11月4日

【東京発】2009年11月2日、カツオ漁業としては世界で初めて、土佐鰹水産グループ(本社:高地県)のカツオ一本釣り漁業が海洋管理協議会(Marine Stewardship Council;以下、MSC)の漁業認証を取得した。持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる。WWFジャパンは、日本人に馴染みの深いカツオでの認証取得が、国内でのMSC認証の認知度をさらに広げる契機になると期待しており、今回の土佐鰹水産グループの認証取得を歓迎する。

持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる。日本の漁業がMSC認証を取得するのは、京都府機船底曳網漁業連合会のアカガレイ、ズワイガニに続いて2例目。12ヶ月におよぶ厳格な審査の結果、土佐鰹水産グループのカツオ漁業がMSC認証を取得した。今回のカツオ漁業によるMSC認証の取得は世界で初めてとなり、土佐鰹水産グループが認証を取得したことによって、「環境に配慮したカツオ」が国内外で流通することになる。

カツオ一本釣り漁業は、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きく、重要な漁業だ。漁師の一本釣り技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場で流通している。11月から翌5月にかけては主に中部太平洋で操業し、9月~10月は北へ移動し日本の東沖漁場で操業する。認証取得を目指していて、土佐鰹水産株式会社のグループ船は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業総漁獲量の約10%、平均4千トンを生産している。

土佐鰹水産株式会社の明神宏幸社長は、「日本の漁師が古来より発達させてきた『カツオ一本釣り漁法』が、真に持続可能な漁法であることが証明されたことを誇りに思います。また、ここに至るまでご尽力いただいた関係者の皆様に感謝いたします。この度のMSC認証取得によって、伝統的なカツオ一本釣り漁業が守られ、将来にわたり残っていくことを切に望むとともに、持続可能な漁業の重要性について消費者の認識が高まることを期待します。『カツオ一本釣漁業』が再度光り輝く漁業となるよう、今後も努力していく所存です。」と述べる。

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは、「信頼性の高い国際的に認められた持続可能な認証カツオ・マグロの供給に対するヨーロッパ、北米や日本のバイヤーの需要がまだまだ満たされていない状況から見て、この認証取得は、国内はもちろんのこと、国際的にも大きな注目を集めることでしょう。今回の認証が、世界の他のカツオ・マグロ類漁業が審査へ進む後押しとなることを願っています。」と土佐鰹グループの認証取得を喜ぶ。

MSCの取り組みは、一般の消費者の環境保全に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて拡大しつつある。欧米を中心にMSCラベル付き商品は3000品目を超えており、スーパーマーケットなどで販売されている。日本国内でも、述べ167製品(2009年9月時点)が流通し、消費者が一目で、それが環境に配慮した製品だということがわかる仕組みとなっている。また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、生産した漁船まで遡ることが可能なトレーサビリティーも確保されている。

今回の土佐鰹水産グループの取り組みによって、大衆魚であるカツオのMSC認証取得が実現したことで、「環境に配慮したシーフード」の選択幅が、消費者により身近な国産魚に広がることを、WWFジャパンは期待している。

 

土佐鰹水産株式会社について

土佐鰹水産株式会社の設立は1996年9月。一本釣りで漁獲されたカツオ(B1冷凍カツオ)のみを原料に藁焼きかつおたたきを製造している(藁焼きタタキ製造法に関する特許取得)。2008年2月には静岡の新工場で原漁入庫から製品出荷までの一貫生産を開始した。土佐鰹水産株式会社の詳細については http://www.tosakatu.jp/ を参照。

*MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立した国際的な第三者機関。魚や貝、エビ、カニなどの漁業で「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する」という条件を満たしたものからつくられた水産物製品につけられるのがMSCラベル。このラベルがつけられた製品は「海の自然を守って作られた製品」であるという証になる。現在、認証取得漁業は58、審査中の漁業が40~50ある。これらの漁業の年間漁獲総量は700万トン近くあり、これは、世界の食用向け漁獲量の12パーセントを超える量に相当する。認証を取得した漁業による漁獲量はおよそ400万トンにのぼり、世界の食用向け漁獲量の7パーセントに該当する。認証後も定期的に監査を受け、厳しい審査基準が遵守されているか、第三者が確認する。

2009/11/04

関連するWWFの活動

MSCについて

海のエコラベル「MSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)」の青いマークのついた水産物をご覧になったことはありますか? このマークはいつまでも魚を食べ続けることができるように、海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物(シーフード)に与えられる認証エコラベルで...続きを読む


持続可能な漁業の推進

魚や貝などの水産物は、獲り尽くしたりしなければ、いつまでもその恵みを受けることが出来ます。しかし、利用の仕方をひとたび誤れば、その自然の恵みも失われてしまいます。海の環境と私たちの食を守る上で、今、水産資源の「持続可能な利用」が大きなテーマになっています。WWFではMSC(海洋管理協議会)の認証制度...続きを読む

あなたの支援で、できること。たとえば… 資源の持続可能な利用を促す WWF会員が125人集まれば、企業が自ら、違法伐採の木材商品を購入していないか、チェックできるウェブサイトを作ることができます。 「あなたの支援でできること」を見る