記者発表資料 2009年10月9日
2009年9月28日から10月9日まで、バンコクでの交渉に参加した各国代表団は、長くて難しい交渉を終えた。技術的な点で多少の進展があったものの、交渉団に本国から十分な権限が与えられていなかったため、12月の合意に向けて大きく前進するために必要とされた現状打破はできなかった。
数百ページの交渉テキストを検討して、ざっくり半分に削ったことは、交渉官たちにとって大変な作業であっただろう。しかし、資金提供の実施やその機関、排出削減目標、次期合意を法的にどう位置づけるかなど、殆どの重要課題については、進展させることができなかった。
「今回の会議の結果、交渉テキストの長さは短くなったが、中身はそれほど改善されなかった」WWFグローバル気候変動イニシアチブ・リーダーのキム・カーステンセンは評する。
「どこに政治的な障害があるかが以前より明らかになり、交渉官より首脳たちこそが、その障害を調整する必要があることがわかった。12月のコペンハーゲンでの気候変動会議の前に、再度、各国首脳は一堂に会すよう、WWFは求める」と、キム・カーステンセンは強調した。
「コペンハーゲン会議までに、交渉日程としてはたった5日間しか残されておらず、交渉団に十分な権限がないことで時間を浪費するわけにはいかない。交渉官は必ず、11月のバルセロナ会議には、新しくて明確な政治的指示を携えて臨まなくてはならない」とカーステンセン。
バンコク会議において京都議定書の将来が脅かされる場面があり、またいくつかの先進国は京都議定書を葬り去ろうとしていることが分かった。今や、すべての参加国の責任ある政治的行動が求められているのである。
「京都議定書をないがしろにして、全く新しい国際約束に置き換えることが出来るという提案は、現時点では生産的ではない。京都議定書を完全に置き換えるという道筋は、とても時間がかかり、しかもそれによって果たして何が達成されるかもわからない。おそらくその過程は、より悪いほうへ悪いほうへと状況が流れていくという事態を招くだけだろう」とカーステンセンは言う。
バンコク会議は、米国上院で法案が成立していないことが、依然として、話し合いの進展の大きな障害となっていることを示した。そして、リーダーシップと明確な意思を示すことが出来ていないEU(欧州連合)が会議の進展を妨害するという、憂慮すべき徴候も見えてきた。
「米国上院で法案が成立していないということは、皆が暗黙のうちに気にしている大きな課題であることは間違いない。しかし、そうした課題は、いまや複数ある。私たちは、それらの課題に本格的に取りくむ時期に来ているのだ。
資金提供とその制度についての明確な立場を示せないなら、もはやEUを気候変動交渉のリーダーと呼ぶことはできない。その主導的立場は日々失われつつある。10月末の欧州閣僚理事会は、この状況を修正するための明白な機会だ」とカーステンセンは述べた。
【問合せ先】WWFジャパン気候変動プログラム Tel:03-3769-3509 climatechange@wwf.or.jp
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