スペインのマドリードで開催された、ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の科学者会議において、地中海を含む大西洋産クロマグロの、全面的な取引(輸出入)禁止が提唱されました。大西洋クロマグロは、「本まぐろ」と呼ばれるマグロの一種で、近年乱獲により、資源の枯渇が懸念されています。
資源量はかつての15%足らずに
2009年10月21日から23日まで、スペインで開かれたICCATの科学者会議では、地中海クロマグロの危機的な資源状況が、「ワシントン条約」で取引規制の対象となるかどうかについて、討議が行なわれました。
この科学者会議によると、現在の産卵可能な地中海クロマグロの資源水準は、資源が未利用状態だった時の推定資源量と比べ、15%以下にまで減少している可能性が高いと推定されています。そして、この結果を受け、同委員会では、商業取引の禁止を定めた「ワシントン条約」の「附属書1」に掲載される状況にあることが報告されました。
また、科学者会議では、2019年までに大西洋クロマグロを「ワシントン条約」の附属書1から、確実に外すためには、今後、商業漁業の休漁を一時的に実施せざるを得ないことを確認しました。

「本まぐろ」の名で知られるクロマグロ
禁漁とワシントン条約の下での資源管理
この大西洋クロマグロの資源保護については、2009年10月14日、モナコ政府が、主に地中海における、無秩序なマグロ漁業と実効性の全くない漁業管理の現状の中、資源量を回復させるために、「ワシントン条約」附属書1への掲載を提案しています。
WWFは、今回のICCAT科学者会議の報告について、資源が今後回復に転じる傾向が確認され、また、持続可能な資源利用の体制が確立されるまでは、国際取引の一時中止も止むを得ない考え、ワシントン条約会議での地中海クロマグロの附属書1掲載を支持するよう求めてゆくほか、2009年11月6日から16日まで、ブラジルで開催されるICCAT年次会合においても、2010年の漁獲割り当て量(各国が漁獲してよい資源量)を、実質ゼロにすることを要望することにしています。
ここで、ICCATが禁漁を宣言すれば、クロマグロの資源量は回復する大きなチャンスを得ることになるでしょう。
その80%以上が日本に向けて輸出されている、大西洋クロマグロ。今のまま消費を続ければ、近い将来資源は崩壊し、食卓からこの魚が消えてしまうかもしれません。今回、科学者会議で出された結論は、クロマグロの最大消費国である日本も、深刻に受け止める必要があります。
WWFジャパンは水産資源の消費大国として、日本政府、流通関係者、消費者に対し、責任ある選択を求めています。





