絶滅寸前の危機にある四国のツキノワグマ。WWFジャパンは、NPO法人四国自然史科学研究センターによる、その生態調査を支援し、現在の保護区拡大を訴えてきました。この問題について環境省は、2009年11月より、新たに保護区を拡大する見解を発表。保護区の指定期間は20年間におよぶもので、四国のツキノワグマの保護活動にとっても、大きな前進をもたらすことが期待されます。
鳥獣保護区の拡大
環境省のレッドリストにも、絶滅のおそれのある地域個体群として掲載されている四国のツキノワグマ。現在、徳島県と高知県をまたがる剣山山系一帯に、十数頭から数十頭が生息するのみと推定されています。
その最も重要な生息地域の一部を占めている、「国指定剣山山系鳥獣保護区」が、2009年10月31日に指定期間が満了を迎えることになりました。 この更新に際して、環境省は11月1日より、鳥獣保護区の指定区域を、新たに拡大することを発表。四国のツキノワグマ存続に向けた取り組みに、新たな展開をもたらしました。

わずか十数頭ともいわれる四国のツキノワグマ
2005年4月以降、NPO法人四国自然史科学研究センターが取り組み、WWFジャパンが支援してきた、四国のツキノワグマの生態調査では、「国指定剣山山系鳥獣保護区」が、重要なツキノワグマの生息地ではあるものの、決してその全域を十分にカバーできてはいないことが明らかになっていました。
この調査結果を受け、2009年1月29日に、四国自然史科学研究センターとWWFジャパン、および日本クマネットワークは、連名で環境大臣、林野庁長官、徳島県知事、高知県知事、愛媛県知事に対し、鳥獣保護区の拡大などを求める要望書を提出。数は少ないながらも、繁殖が確認されているツキノワグマの保護を強化するよう、求めていました。

四国剣山山系
さらなる保護策の充実を!
今回、環境省が発表した鳥獣保護区の拡大案によれば、保護区の面積は、1万139ヘクタールから1万1,817ヘクタールに拡大。WWFと四国自然史科学研究センターが提供した、行動範囲に関する調査データも参考にされており、ツキノワグマの行動が認められ、WWFも保全を要望していた、従来の鳥獣保護区の東側のエリアが、ある程度カバーされています。
しかし、同時に提言していた、西側、南側への拡大は、今回は見送られており、長期的にツキノワグマを守ってゆくためには、まだまだ課題が多く残されていると言わざるを得ません。
今後は、2007年9月の調査において、21年ぶりにツキノワグマが捕獲された、高知県側の保護区拡大を含めた、さらなる保護策の充実が求められます。
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