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活動トピック

森林の危機

WWFと世界自然保護モニタリングセンター(WCMC)が調査した結果、世界の自然林は文明が始まった時期とされる8000年前に比べ、約3分の2が消滅し、このままでは、50年後には自然林が完全に消失してしまう国が出るという結果が出ています。

世界的な森林の危機

WWFは、森林の保護と適切な利用へ向けて、世界各地でフィールドプロジェクトに取り組むと共に、国連機関や各国政府等へさまざまな政策提言を行なっています。

しかし残念ながら、森林問題はより深刻な状況をむかえつつあるのが実状です。

WWFと世界自然保護モニタリングセンター(WCMC)が調査した結果、世界の自然林は文明が始まった時期とされる8000年前に比べ、約3分の2が消滅し、このままでは、50年後には自然林が完全に消失してしまう国が出るという結果が出ています。

とりわけ、20世紀以降の世界の森林環境の悪化は、急激に進んでいます。

こうした状況を何とか食い止め、森林の実質的な保全を実現するために、WWFは現在、「保全」「適切な管理」「回復」という大きな三つの方針に基づいた活動を展開しています。

8000年前と比較した近年の森林面積

破壊的な森林伐採

木材は、適切に伐採して利用すれば、再生可能な資源です。しかし現実には今も、世界各地の森では、回復が難しいほどに破壊的な森林伐採が行なわれています。

もっとも問題なのは、違法な伐採です。違法伐採とは文字どおり、国や地方の法律を無視した伐採を意味します。所有権の明らかでない森林で伐採が行なわれるケースもあります。

また、違法ではなくても、貴重な森が失われる場合があります。その国が所有している保護価値の高い森林の伐採許可が、企業に売り渡されたり、森がまるごと無くなってしまうような、破壊的な伐採が合法的に行なわれる場合もあります。

とりわけ、東南アジアやアフリカ諸国などの一部の途上国では、企業に買収された地方の役人が、本来ならば保全すべき森林の伐採許可を、勝手に与えてしまうこともあります。これらの生産国では、法律や、違法行為を取り締まる体制が、きちんと整っていないため、非常に問題のある伐採が続いているのです。

プランテーションの開発

森林の破壊を引き起こしているのは、木材を得るための伐採だけではありません。開発のために森林を伐採したり、放火するケースも多発しています。

破壊的な伐採と共に、大きな問題になっているのは、プランテーションなどの大規模な農地開発です。

とりわけ、パームオイルを収穫するために植えられるアブラヤシや、大豆を生産するための農地は、近年急激に拡大しており、これによって残された自然林が失われています。

たとえば、世界の大豆の需要拡大によって、最も森林破壊が進んでいる南米のアマゾンでは、2006年の時点で、22万平方キロ(日本の本州くらいの広さ)もの広大な土地で、大豆が栽培されています。

また、パームオイルについては、マレーシアとインドネシアが、世界の輸出量のほぼ90%を占めていますが、この2カ国では、プランテーション造成のため、1990年~2005年までの間に、約2万5,000平方キロ(四国の約1.4倍)もの自然林が、消失したといわれています。

地球温暖化との関係

近年はさらに、地球温暖化と森林破壊の問題もクローズアップされるようになってきました。そもそも森林という環境は、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して育つ樹木の集まりです。これが、伐採された後に更新されなかったり、燃やされたりすれば、大量の温室効果ガスが樹木や土壌から放出され、温暖化が進行することになります。

たとえば、アマゾンの熱帯林が固定している炭素は、900~1,400億トンと推定されていますが、これは世界中で人為的に放出される温室効果ガスの9~14年分に相当します。

また、大豆のような作物は、この温暖化防止につながる「バイオ燃料」としての需要が、最近急激に高まっていますが、南米などでは、このような作物を栽培する農地を確保するため、森が開発され、大量のCO2が排出される、という矛盾した問題も起きています。

バイオ燃料自体は、確かにCO2の排出を抑えることのできるエネルギー源ですが、その生産方法が、本当に環境に配慮しているかどうか、また毒性の高い農薬の使用や、水の過剰な利用といった問題が起きていないか、包括的な視野から判断する必要があります。

必要とされる取り組み

森林の環境を未来に引き継ぐためには、まず、その資源を利用する人を含め、多くの野生生物が生きていくために必要な、多様性に富む自然の森林を確保し、それを厳格に「保全」すること必要です。

そして同時に、保護地域に含まれない森林を、私たちがさまざまな利用する場合は、できる限り環境や野生生物に影響の少ない、そしてそこに住む住民の権利を守る形で、森林の管理を行なってゆくことが重要です。そのためには、林産業そのものの収益性と森林の保全管理を両立させ、経済的にも持続的なものにしてゆくことが重要です。

WWFは、企業や各国政府にはたらきかけ、森林の持続的な利用と保全に向けた政策の改善に取り組んできました。 現在、自然の生態系を守り、同時に地域住民が生活の手段を確保できるような方法で森林資源を利用するための方策を考え、活動を続けています。

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