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活動トピック

地球温暖化とホッキョクグマ

北極圏を温暖化が襲う

北極圏や、ヒマラヤなどの高山帯は、地球温暖化による平均気温の上昇率が、地球上でもとりわけ高いといわれ、温暖化の影響が顕著に現れやすい環境といわれています。
IPCC第4次報告書によれば、地球の平均地上気温は、20世紀の100年間に、約0.74度上昇したことがわかっていますが、これはあくまで、地球全体の平均値。北極圏だけで見ると、その2倍の2度以上も平均気温が上昇しました。また、北極圏では、夏の終わりから、秋の初めにかけての季節に、北極を覆う海氷の厚さが、約40%も減少したといわれています。

地球温暖化でホッキョクグマが絶滅する?

北極圏にしか生息していないホッキョクグマは、北極圏がこれ以上暖かくなると、生きていくことができません。北極圏では、この100年間に平均気温が2度以上も上がったといわれていますが、このような環境の激変は当然、ホッキョクグマにもさまざまな、そして深刻な打撃を与えます。
現在、北極圏には、2万~2万5,000頭のホッキョクグマが生息しているといわれていますが、全体的に数が減少していると考えられています。IUCN(国際自然保護連合)は、2005年10月に発表した「レッドリスト」(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)の中で、ホッキョクグマを絶滅の可能性がある「危急種(VU)」としてリストに掲載しました。

Photo(C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ

Photo(C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ

氷が減ると、ホッキョクグマがやせる?

WWFが調査を行なった、ホッキョクグマの生息域の南限にあたるカナダのハドソン湾では、海を覆う氷が溶けるのが一週間早まると、ホッキョクグマの体重が10キロも減り、健康状態も悪くなったことが確認されました。特にメスグマの場合は、北極の気温が1度あがると、体重が22キロも落ちることがあります。
これは、春と秋の季節に海の氷の上で狩りをする、ホッキョクグマの習性と大きなかかわりがあります。ホッキョクグマは主に、氷の下に隠れているアザラシを食べますが、温暖化によって夏が長くなり、氷の解ける期間が長くなると、アザラシが獲れなくなってしまいます。これが、ホッキョクグマがやせてしまう、原因のひとつになっていると考えられています。

Photo(C)WWF-Canon / Wim VAN PASSEL

Photo(C)WWF-Canon/WimVAN PASSEL

仔グマにはどんな影響が?

ホッキョクグマのお母さんは、北極圏の秋が深まる10月頃になると、赤ちゃんを産むために雪洞をつくり、そこを巣穴にして巣篭もりします。それから再び春が訪れるまで、100日の間その中ですごし、赤ちゃんを産み、母乳を与えて育てます。その間、母グマは何も食べません。
しかし、冬ごもり前にアザラシなどが十分に食べられないと、母グマは栄養不足になり、それが、生まれてくる仔グマの発育にも深刻な影響を及ぼします。実際、1980年から1992年の間にハドソン湾で生まれた子グマの生存率は44%と非常に低かったことが分かっていますが、その大きな原因の一つは、母乳に含まれる脂肪分の不足であったと見られています。

Photo(C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ

Photo(C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ

温暖化は今も進んでいるの?

 現在、北極では、温暖化による気温上昇のため、海を覆う氷の面積がどんどん減り続けています。特に、夏の間、海上に残る氷の面積は、1970年代に比べ、4分の3まで減少してしまいました。春の訪れが早くなる一方、秋の訪れが遅くなり、結果として北極圏が広く氷で覆われる期間が、どんどん短くなっています。

そしてこの傾向は、今後さらに加速するおそれがあります。二酸化炭素の濃度が現在の2倍になったら、夏の氷は60%も減少し、現在は2週間ほどしかない北極圏の夏が、大幅にのびると予想されます。

すでに、カナダのハドソン湾では、1987年に1,200頭いたホッキョクグマが、2004年には950頭以下にまで減ってしまいました。 100年後、ホッキョクグマが生きられる環境が北極圏に残っているかどうか、深刻な問題になろうとしてます。

Photo(C)WWF-Canon/WimVAN PASSEL

Photo(C)WWF-Canon/WimVAN PASSEL

ホッキョクグマを調べると何がわかる?

ホッキョクグマのくらしは、北極の自然サイクルと深く関わっています。このホッキョクグマの生態と、その変化を調べることは、北極圏の自然の変化、温暖化の影響を知る、一つの手がかりとなります。
WWFが現在取り組んでいる「Polar Bear Tracker ~ホッキョクグマ衛星追跡プロジェクト」では、ホッキョクグマに電波発信機をつけ、人工衛星で追跡しています。調べているのは母グマで、その行動からは、連れている仔グマの成長具合もわかります。
そして、ここで集められたデータは、例えば海に氷がはる時期や範囲に変化が生じたとき、ホッキョクグマたちの行動がどう変わるのか、また、どうやってその変化に適応しているのか、あるいは適応できない状況に陥っていないかなどを知ることにも役立ちます。

Photo(C)WWF-Canon / Tanya PETERSEN

Photo(C)WWF-Canon /Tanya PETERSEN

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