世界中で急激に悪化している自然環境。中でも、著しいのが、湖沼や河川、そしてそれに連なる河口の干潟など、「水」をめぐる自然環境の劣化です。 全ての生命を育む、水。この水が今、大きな危機にさらされています。
水に迫る危機
WWFは『生きている地球レポート』の中で、世界の淡水環境がどれくらい悪化したかを、100種以上の淡水にすむ動物の個体数変化を調べ、その減少の度合いから、生態系の劣化を試算しました。
右のグラフを見ると、過去30年間で著しく環境悪化が進んでいることがわかります。
また下のグラフでは、1960年時点と比べ、95年には淡水の需要が倍近くに伸びています。
この需要は、無論、飲み水だけではなく、農業や牧畜、工業などによる需要を含んでいます。これらの需要と、それを満たす利水のための開発が、淡水の自然環境を脅かす大きな一因である事は間違いないでしょう。
淡水生態系指数


保全と利用の両立をめざして
1971年に発効した世界のウェットランドを保全する国際条約「ラムサール条約」は、1990年代以降、その目的の重点を、従来の「水鳥の渡来地としての湿地保全」から「広く生態系として重要な湿地の保全」へと拡大してきました。
この背景には、淡水域に生息する生物種ならびにその生息域である湿地の減少のみならず、水資源の危機に対する意識があります。
1999年、WWFは「川・湖・沼・池といった個々の湿地に焦点を当てるというよりも、むしろ川と湖を含めた流域という、より大きな範囲で湿地全体を保全していく必要がある」ことを訴え、「Living Waters」という取り組みの開始を発表しました。
これ以降、WWFは、人間とあらゆる野生生物にとって大切な淡水を保全するため、水を育む周辺環境を含めた「流域」という視点での取り組みを行なっています。これは、水資源を持続可能なレベルで利用し、そこに息づくあらゆる生物の生息環境としての自然を守ることを目的としたものです。
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