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活動トピック

生物多様性を守るパームオイルの利用はわずか1% ~WWF、企業に需要を喚起~

記者発表資料 2009年6月9日

【スイス・グラン発】 WWFは本日、持続可能な方法で生産されたパームオイルについて、新たな数値を発表、現在市場で入手できる持続可能なパームオイルのうち、これまで取り引きされたのはわずか1%であることが明らかになった。

この「成績不振」の改善にむけWWFは「パームオイル購入者のスコアカード」を作成、世界の主要なパームオイル関連企業を今後6ヶ月間調査する。このスコアカードは持続可能なパームオイルの支持を公約している企業に適用するもので、公約が実践されているかどうかを調査して公表する。
WWFは、企業が遵守する持続可能なパームオイルの基準を設定するため、国をまたがる組織である「持続可能なパームオイルのための円卓会議(RSPO)」の設立に中心的役割を果たした。RSPOの基準に適合すると認証された持続可能なパームオイル(CSPO)は、2008年11月から市場に流通し始めた。CSPOは、貴重な熱帯雨林を切り開くことなく、環境および社会面に配慮しながら生産されていることが保証されたパームオイル。しかし、今後の生産は、入手可能になったCSPOの購入を公約したメーカーや小売店が、実際に需要を示すかどうかにかかっている。

「アブラヤシを栽培するRSPOメンバー企業は現在まで、約130万トンのCSPOを生産した。しかしCSPOとして選ばれ購入されたのはそのうちの15,000トン足らず。スーパーマーケット、食品メーカー、化粧品メーカーなどのパームオイルを利用している企業からの需要が今のように少ないままでは、RSPOの成果も無駄になる。東南アジアに残っている天然の熱帯林はもちろん、アブラヤシ栽培が拡大の兆しを見せているアマゾンなど他地域の森林も失われていくだろう」WWFインターナショナル、森林プログラム責任者のロドニー・タイラーは述べる。

WWFは、パームオイルを購入している全企業が2015年までに、認証を取得した持続可能なパームオイルの100%利用を公約するよう求めている。また、この目標を達成するため、期日の明確な計画を公表し、認証を取得したパームオイルの購入に、直ちに切り換えることも要求している。
「パームオイル購入者のスコアカード」は、パームオイルを購入する世界的規模の小売業者、メーカー、貿易企業の取り組みをランクで示すもの。持続可能なパームオイルに対する企業の取り組みは、様々な基準に基づいて点数付けされる。結果として出たスコアは、消費者がその企業の取り組みを評価する指標となるだけでなく、企業自身が持続可能なパームオイル利用を進める指標としても利用できる。

Notes to Editors

  1. 「持続可能なパームオイル」とは、自然の生態系保全や住民の権利に配慮しながら、経済的にも見合うように経営されているアブラヤシ農園から生産されたパームオイル。
  2. RSPOの設立メンバーとしてWWFは2002年以来、貴重な森林の転換禁止を含む、環境および社会面の基準がRSPO基準に確実に採り入れられるよう、パームオイル業界と共に活動してきた。RSPOには、パームオイル生産者、オイル加工業者、食品企業、小売業者、NGOおよび投資家らが会員として参加している。会員は、新たなアブラヤシ農園を造成するためにこれ以上の熱帯雨林が切り開かれるのを食い止め、全てのアブラヤシ農園が環境に与える影響を最小限にし、地元の人々や農園労働者の基本的な権利を充分に配慮するよう力を注いできた。
  3. 2002年、オーフスユナイテッドUK (Aarhus United UK Ltd)、ゴールデンホーププランテーション(Golden Hope Plantation Berhad)、ミグロ(Migros)、マレーシアパームオイル協会(Malaysian Palm Oil Association)、セインズベリー(Sainsbury's)、ユニリーバ(Unilever)とWWFとが、持続可能なパームオイルの生産と利用について非公式に協力を始めたことがRSPOの始まり。2003年クアラルンプールで初めての円卓会議を開催、正式な設立に至った。以降もRSPOは拡大し続け、現在の会員数は300を超え、会員の生産するパームオイルの量は、世界の生産高の35%以上を占める。
  4. アブラヤシは西アフリカ原産だが、パームオイル最大の輸出国であるインドネシアやマレーシアをはじめ、多くの熱帯地域で栽培されている。世界全体では年間4,300万トン以上生産されるパームオイルは、世界中で重要な食品原料となっており、マーガリンや食用油、クラッカー、ケーキ、ビスケット、ペストリーなど多くの食品に含まれる。化粧品、石鹸、シャンプー、洗剤などの原料としても利用される。グレープシードや大豆、ひまわり油などから水素添加の部分硬化油(ファットスプレッドなど)を製造する過程でトランス脂肪酸が生成される。トランス脂肪酸は近年LDLコレステロールの増加を促進する物質として問題視されているが、パームオイルを利用した場合はトランス脂肪酸が生成されないため、欧州ではパームオイルの需要がさらに伸びている。
  5. パームオイルは消費需要が高い基礎的な食品であることを、WWFは理解している。欧州は、インド、中国に次ぐ世界3番目の市場であり、食品や石鹸などに使用するため、年間270万トンの植物油を輸入している。それに加えパームオイルは、主として先進国の輸送およびエネルギー部門で、化石燃料の代替燃料としての需要が伸びている。従来の利用方法に加え、バイオエネルギー源としてのパームオイル需要が増加していることでFAOは、パームオイル生産は1999年(または2001年)から2030年の間に倍増すると推定している。
  6. アブラヤシは、シードオイル作物(菜種、大豆、落花生、ひまわり、ごまなど)の中でも面積あたりの収穫率が最も高い。アブラヤシが栽培可能なのはアジア、アフリカ、アメリカの熱帯地域のみであり、環境変化に繊細な熱帯地域にアブラヤシ農園が拡大することで、環境的な影響があることが分かっている。アブラヤシ農園は、無差別に森林を伐り拓き、オランウータンやゾウ、トラなど危機にさらされ絶滅に瀕している種にとって重要な生息地を奪い、煙霧を伴う大規模な火災をひき起こし、地元コミュニティーの権利に配慮していないため、しばしば環境や社会面への悪影響が問題視されている。

この記事に関する詳細は、以下に問い合わされたい。

Carrie Svingen
Forest Conversion Programme Coordinator, WWF International
csvingen@wallacea.wwf.or.id, +62 361 730185

Ian Morrison
Media Officer, WWF International
imorrison@wwfint.org
T: +41 22 364 9554, M: +41 79 874 6853

最新ニュースおよびメディアソースについては、www.panda.org/mediaをご覧ください。

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