2009年6月2日
WWFジャパン、アバーズ、気候ネットワークなどのNGOは、日本の世論調査を共同で実施し、回答者の6割以上が「2020年に25%以上の排出量を削減する」、高い目標を支持していると発表。ドイツ・ボンで開かれている国連気候変動会議に合わせ、「麻生首相はヒーローになれるか?」と題した、全面意見広告展開しました。
より積極的な削減目標を求める声
国際的に著名な世論調査会社グリーンバーグ・クィンラン・ロズナー(GQR)が、2009年5月に実施した世論調査によると、国内の多くの人々が積極的な地球温暖化対策を支持しており、同時に、麻生内閣の現状の対策については不満を抱いていることがわかりました
この世論調査は、WWFジャパン、アバーズ、気候ネットワークなど、国内外のNGOの依頼によって実現したもので、日本国内の976名の有権者を対象に行なわれたものです。
調査結果によれば、6割以上の人々が「2020年に25%以上の排出量を削減する」目標案を支持しており、同時に6割以上の人々が、「麻生内閣はさらに多くの温暖化対策をするべきだ」と答えいます。
さらに、より積極的な中期目標(2020年の目標)を日本政府が設定することは、日本経済にとってもプラスになると考えている人も、全体の6割以上を占めました。
党を超えた国民の意思
また、自民党、民主党いずれの政党を支持しているかに関係なく、積極的な地球温暖化政策を支持していることも調査の結果分かりました。麻生首相率いる自民党の支持者の過半数までもが、政府の姿勢とは対照的に、より高い排出削減目標の達成に賛成しています。
WWFグローバル気候変動イニシアチブのリーダーである、キム・カーステンセンは次のように言っています。
「今回の調査は、日本の市民が、科学者が示す警告に応え、積極的な地球温暖化対策の実施を求めていることを示しています。(中略)それでももし、麻生首相が低い目標を選択するならば、その理由は、多くのCO2を排出し、利益を挙げている企業におもねることくらいしか、考えられません」。
実際、麻生首相は現在、2020年までの排出量削減目標として、1990年比+4%から-25%までの範囲で6つの選択肢を設け、その内容を検討しています。
その中で、経団連は、経済への打撃を理由に、「1990年比+4%」という最も低い目標を支持。一方、民主党は「1990年比-25%」という最も高い目標を支持しています。

戦え! 麻生ロボ
2009年6月2日付けの、日本経済新聞に掲載された意見広告。【拡大画像】
麻生首相がこのマンガのようにヒーローになりたければ、-25%、あるいはそれ以上の削減を2020年目標に設定することこそが、そのチャンスです!
広告キャンペーンも展開
なお、この世論調査の結果発表は、国際的な政策提言団体アバーズ、および温暖化防止キャンペーン『tcktcktck.org(チクタク)』による、メディアキャンペーンの一環として行なわれました。
キャンペーンでは6月2日、ドイツ・ボンでの国連気候変動会議に合わせ、日本経済新聞の全面広告と、フィナンシャルタイムズ・ヨーロッパ編で、全面意見広告を展開。
日本経済新聞には、マンガのキャラクター「麻生ロボ」を操縦する麻生太郎首相が、地球温暖化と経済危機の双子のモンスターと戦っているデザインの広告が掲載されました。この広告では、麻生首相に、最良の武器、すなわち「25%削減」を使って、モンスターたちを打ち倒してくださいと求めています。
アバーズのエグゼクティブ・ディレクター、リケン・パテルは、今回のキャンペーンについて、次のように述べています。
「今回の調査は、麻生首相および経団連の想定が大きく間違っていたことを示しています。日本の一般市民は、野心的な温暖化政策が、環境に良いだけでなく、日本の国際的な評判や日本経済にとっても極めて重要であることに気付いています。一般市民は、自らの利益しか考えない排出企業に、騙されたりはしないのです」。
日本の未来と、世界の温暖化の行く末に、大きな影響を及ぼすことになる、日本の中期目標。麻生首相は6月中旬に、その具体的な目標を発表する予定です。
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