このまま地中海でクロマグロ漁を続ければ、産卵可能なクロマグロが3年後には消滅する可能性がある!違法漁業や過剰な漁獲が続く地中海と東部大西洋で、巻網漁の解禁日を前に、WWFはクロマグロ資源の深刻な危機を指摘。漁獲と取引を規制する必要性を訴えました。
失敗に終わったICCAT会合と近づく解禁日
2009年3月24日から27日まで、スペインのバルセロナにおいて、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)の遵守委員会中間会合が開催されました。
この会合には、ICCATに加盟している、大西洋および地中海でクロマグロ(本マグロともいわれる)の漁獲や畜養を行っている地中海沿岸のEU加盟諸国や、北アフリカの諸国、および日本、アメリカ、カナダ、中国、韓国が参加。クロマグロを持続可能なレベルで漁獲するためICCATが定めたルールが、きちんと守られていない現状があらためて明らかになりました。
ところが会議では、明らかになったこの問題に対し、制裁のための措置は何ら講じられませんでした。地中海と東大西洋では、マグロ資源の過剰な漁獲が抑えられない、危機的な現状のまま、クロマグロ巻網漁が解禁される4月15日を迎えることになります。
資源保全のため求められる規制
WWFでは4月14日、このままクロマグロ漁業が続くことになれば、クロマグロの資源再生の母体になる産卵可能な個体群が、3年後には消滅する可能性があることを警告。その根拠として、クロマグロの産卵個体数が、この10年で激減しているデータを発表しました。
WWF地中海オフィス漁業担当セルジ・テュデラ博士は言います。
「この数年間、私たちは「いつクロマグロ漁が崩壊するのか」と問われてきました。今回の分析でその目処がついたことになります。それにもかかわらず、4月15日に、これまでと変わらないクロマグロ漁が解禁されます。壊滅的な資源状況にあるクロマグロの漁獲が解禁されることは、極めて不合理であり遺憾なことです」。
WWFでは地中海のクロマグロ資源を回復させるため、まずクロマグロの一時的な禁漁措置をとることを提案しています。そして、各国の消費者、小売業者、外食産業関係者といった消費者に対しても、理解と協力を求めていくことにしています。
また、現在の不十分な、地中海のクロマグロ管理体制を是正するためには、国際的なクロマグロの取引を、一時中断する措置の有効性も考慮し、2010年に開催が予定されているワシントン条約会議において、東部大西洋のクロマグロ個体群を取引規制の対象とすることに対しても、支援を検討しています。
【関連情報】地中海クロマグロの資源崩壊に関する予測
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