2009年4月15日から6月15日まで(悪天候が続く場合は6月20日まで)、地中海および東大西洋では、クロマグロ巻網漁業が解禁となります。
WWFでは、この海域のクロマグロ資源が、ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)科学委員会の勧告を無視した、過剰な漁獲にさらされ続けており、このままでは、2012年までに、クロマグロの再生産に必要な産卵個体群が消滅する、という予測を発表しました。
産卵個体数の減少
地中海では過去10年間で、クロマグロの産卵個体数が急減しています。
(図1)2012年までの東部大西洋クロマグロの産卵個体数の予測

Source: 実線はSCRS ICCAT Bluefin tuna stock assessment,2008のデータより。破線はWWF予測。
個体の小型化
地中海では再生産、つまり繁殖が可能と考えられるクロマグロ個体群は、ほぼ漁獲され尽くされています。これに相当する、4才以上で、重量35kg以上の個体は非常に少なくなっており、2007年の産卵可能なクロマグロ個体数を、50年前のそれと比較すると、1/4にまで減少していることがわかります。とりわけ、近年は減少が顕著です。
さらに、1990年代以降は、クロマグロそのものの小型化も進んでいるとみられています。リビア沖で漁獲された個体の平均重量は、2001年に124kgでしたが、2008年にはほぼ半分の65kgにまで落ちこみました。成熟したクロマグロのサイズが、半分になっていることを示す一例です。
WWFが、ICCATの科学委員会のデータを分析した結果、この傾向は地中海全域で確認されており、各海域ともに50%前後小型化しているものと推定されます。
(図2)地中海西部:スペインの巻網によるクロマグロ漁獲サイズの変化

(図3)地中海中部:チュニジアの巻網によるクロマグロ漁獲サイズの変化

(図4)地中海東部:トルコの巻網によるクロマグロ漁獲サイズの変化

枯渇する資源
地中海と東大西洋において、大規模な経営による大型漁船が導入される以前は、1尾あたり900kgを超える重量のクロマグロが漁獲されることもあったといいます。
これら大型のマグロが枯渇して、中型、さらには小型の個体の漁獲が増加している実態は、クロマグロが種として存続する上で、かつてない重大な影響を受けていることの現われといえます。
また、この海域で現在操業している漁船数は、資源量に対して、明らかに過剰となっており、法的に設定された漁獲割当量をはるかに超えて漁獲しています。
さらに密漁や、魚群探索のためのセスナ機の利用、漁獲量の過小報告や、禁漁期間中の違法操業も跡を絶ちません。
持続可能な漁獲レベルを提言している、ICCAT科学委員会の勧告に従おうとしない漁業管理機構や関係各国の姿勢、世界的に依然高いクロマグロ需要の存在も、急激な資源量減少の要因となっています。
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