黄海では沿岸性の植物(維管束植物)が数多く生育しています。この植物群には、砂丘や海岸、満干に応じて潮に浸される湿地、浅い海の海底など、多様な景観で成育する植物が含まれています。
それぞれの景観で生育
代表的な植物種としては、内陸部から潮間帯で見られるマツナ(Suaeda glauca)、堤防の周辺で見られるアツケシソウ(Salicornia europaea)、浅い砂地の海底に多いアマモ(Zostera marina)、河口域で優勢なヨシ(Phragmites communis)、シオクグ(Carex scabrifolia)、海岸の湿地に生育するシチメンソウ(Suaeda japonica)、浜のやや高い場所で育つナガミノオニシバ(Zoysia sinica)などが知られており、いずれも海岸近くの内陸から、砂地の浜や海底などで見ることができます。

シチメンソウ (C)WWF
さまざまな恩恵の源に
海浜植物は、人々に直接的・間接的にさまざまな生態系の恩恵を与えてきました。
中国では、昔からアシを建材や紙の原料として収穫し、マツナを食用にしてきました。このマツナの種には、薬になる成分が含まれていることが、近年明らかにされています。
また、浅瀬の海底に生育するアマモは、藻場と呼ばれる環境を形成し、魚類の産卵場や貝類などの生息場所として沿岸漁業の基盤を支えているほか、自然の状態で残されている沿岸植物の群落は、海岸線を波の侵食から守る役割も果たしています。

コウボウムギ (C)Min Byungmee
| 黄海エコリージョン 生態的重要地域【維管束植物】 | |
|---|---|
| 色が塗ってある所が植物にとって特に重要な生息域です。 |
|
関連するWWFの活動
黄海エコリージョン
中国と朝鮮半島に囲まれた海、黄海。黄海は、太平洋・インド洋を代表する大陸棚を持った、豊富な漁業資源に恵まれた漁場であり、数多くの野生生物が息づく豊かな海洋環境です。WWFは、この黄海および渤海を含めた海域を「黄海エコリージョン」として、世界中で優先的に保全すべき自然環境の一つに選び、活動に取り組んで...続きを読む
黄海エコリージョン 優先保全地域マップ
黄海エコリージョン優先保全地域マップは、日本、韓国、中国の科学者が協力して、渡り鳥やアザラシ、魚類や貝など、さまざまな野生生物の生息地評価を実施し、それぞれの生物にとって重要なエリアを明らかにして作成したものです。この、生きものごとの重要地域の地図(マップ)を重ね合わせ、黄海の中で優先的に保全すべき...続きを読む






