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WWFの活動

「2度でも高すぎる!」気候変動により南極のペンギンのコロニーに大打撃と予測

記者発表資料 2008年10月9日

【スペイン、バルセロナ発】WWF(世界自然保護基金)は、本日、南極大陸で繁殖するペンギンが気候変動によって大きな打撃を受ける可能性があると警告する小冊子を、現在スペインのバルセロナで開催されているIUCN(国際全保護連合)の世界自然保護会議の場で発表。2013年以降の新たな気候変動に関する合意に、1990年に比べて先進国の排出量を、2020年までに25~40%、2050年までに80~95%削減する義務を盛り込むよう、強く訴えた。

小冊子『2度でも高すぎる』は、「世界の平均気温が産業革命以前に比べて2度以上上昇した場合、南極大陸で繁殖するペンギンのうち、コウテイペンギンのコロニーの50%とアデリーペンギンのコロニーの75%が縮小するか消滅する」との予測を導いた新しい研究報告を基に作成された。

気候変動モデルは2度の気温上昇が40年足らずのうちに現実のものとなりうること、それによって、コウテイペンギンとアデリーペンギンが生存するために欠かせない、営巣と食糧採取の基盤である南極海の海氷被覆が大幅に減少することを予測している。海氷の減少は、ペンギンが生命を維持するために必要な食糧であるオキアミの量にも連鎖的な影響を及ぼす。

WWF南極気候変動コーディネーターのユアン・カサベロスは「ペンギンは南極大陸の寒く極限的な条件下での生活に非常に上手く順応してきた。地球の継続的な気温上昇と、その結果として、食糧を得ることのできる場所やヒナを育てるための営巣地帯が消失することが、すでにペンギンの個体数の顕著な減少を導いている。もし気温が2度上昇したら、南極大陸のペンギンは絶滅の危機に瀕するだろう」と述べている。

気候変動による悪影響を、受け入れがたい危険なレベルより押さえるには、世界の平均気温上昇を2度未満にしなくてはならないということは、広く認識されている。しかし、多くの最近の気候モデルが、これを超える気温の上昇を予測している。南極大陸の気候変動のリスクを大幅に削減する唯一の方策は、地球規模の場合も同じであるが、実質的に温室効果ガスの排出を削減することである。

京都議定書と2013年以降の気候変動への取り組みを成功させる、新しい国際的な取り決めへの合意を目指して、すべての国が協力するよう、WWFは求める。新しい合意には、先進国が排出量を1990年に比べて、2020年までに25~40%、2050年までに80~95%削減する義務を盛り込むべきである。

WWFはまた、種への脅威を減らすために、海洋保護区のネットワークの設立を提案すると共に、オキアミや魚類を対象とする漁業の未来と、南極海に生息する全種の未来を保障する予防的な管理措置の実施を提案している。

「研究報告書が予測する、コウテイペンギンとアデリーペンギンの個体群への脅威は、世界の排出量を削減するための措置を策定することに、世界が合意しなければならいことを明確に示している。国際社会が、気候変動の影響を制限する方策や、ペンギンの個体群の抵抗力を高めるためのあらゆる可能性を、直ちに分析しなくてはならない」と、WWF南極気候変動コーディネーターのユアン・カサベロスは警告する。

   註:

  • 信頼できる南極大陸での気温観測は、1950年代に始まったばかりである。過去50年間の気温測定は、南極半島の西部が地球上で最も急激な温暖化を経験している地域の一つであることを示している。その一方で、南極大陸の他の地域ではほとんど変化がない(あるいは、やや寒冷化している)。南極半島のFaraday Stationでは、年平均気温は過去50年間に2.5℃を上回って上昇し、地球の平均気温に比べて4倍以上の速さと言える[Warming rate of Vernadsky / Faraday = 0.56°C per decade over past 50 years (Turner et al., 2005); Rate of global warming = 0.13°C per decade over last 50 years (IPCC, 2007a)]。

  • WWFは、David Ainley(HT Harvey & Associates)、Joellen Russell(University of Arizona、Stephanie Jenouvrier(Woods Hole Oceanographic Institution)らによる研究報告"The fate of Antarctic penguins when Earth's tropospheric temperature reaches 2°C above pre-industrial levels"に基づいて、“2℃ is Too Much !”(『2℃でも高すぎる!』)という小冊子を作成し、今週バルセロナで開催されているIUCNの「世界自然保護自然保護会議」で発表。

PDF形式

▼上記レポートの基になった報告書の全文はこちら
THE FATE OF ANTARCTIC PENGUINS WHEN EARTH’S TROPOSPHERIC TEMPERATURE REACHES 2°C ABOVE PRE-INDUSTRIAL LEVELS (2.7MB)

問い合わせ先:
Tina Tin, Principal Technical Consultant,Antarctica Climate Change Focal
Project,+33 6 84 87 47 48, ttin@wwfepo.org.
Diego Moreno, General Director, FVSA    

2008/10/09

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