記者発表資料 2008年10月15日
【日本、東京発】 2008年10月15日、カツオ漁業としては世界で初めて土佐鰹水産株式会社のカツオ一本釣り漁業グループが、WWFジャパン(財団法人 世界自然保護基金ジャパン)がその活動を支援するMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会) の漁業認証本審査に入った。WWFジャパンは、土佐鰹水産株式会社によるMSC認証取得に向けたこの取り組みを歓迎する。
MSCI0263
http://www.msc.org/
持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えらる。今回カツオ漁業によるMSC認証の取得は世界で初めての試みとなり、認証の取得が実現すれば「環境に配慮したカツオ」が国内外で流通することになる。WWFジャパンでは日本人にとって馴染み深いカツオでの認証取得が、国内でのMSC認証認知度をさらに広げる契機になると期待している。
日本漁業での本審査開始は2例目。今回本審査の対象となるのは、遠洋カツオ一本釣り漁業で漁獲されるカツオ。カツオ一本釣り漁業は、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きく、重要な漁業だ。漁師の一本釣り技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場で流通している。11月から翌5月にかけては主に中部太平洋で操業し、9月~10月は北へ移動し日本の東沖漁場で操業する。認証取得を目指す土佐鰹水産株式会社のグループ船は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業総漁獲量の約7%、平均4千トンを生産している。
土佐鰹水産株式会社の明神宏幸社長は「弊社は、高知県が土佐藩と言われた頃より櫓を漕ぐ和船で土佐沖に来遊する鰹を一本釣りしていました。3年前にMSCの活動を知り、MSC漁業認証は、まさに我々の先祖代々からの漁法を認める取り組みだと思いました。これこそ危機に瀕している日本のカツオ一本釣り漁業を守り育てる最後の拠り所と認識し、本審査に進むことを決めました。このカツオ一本釣漁業がMSC認証を取得した後は、CoC認証も取得し、カツオ一本釣り漁船が漁獲したカツオをさらに普及していきたいと思っています。この漁法の漁師の子に生まれたことを誇りに思います。」と述べる。
また、MSCの 最高責任者ルパート・ハウズは、昨年の米国西海岸のビンナガマグロ漁での認証取得に続く土佐鰹水産株式会社のカツオ漁業の本審査開始は、マグロのような回遊魚種の持続可能性の審査についてのMSCのプロセスの適用性と妥当性を実証するものである点、また審査結果が良好であれば、土佐鰹水産株式会社には、日本および世界において非常に大きな新たなマーケットの機会が広がる点についてふれ、進展を喜んでいる。
日本においては、先月、京都府機船底曳網漁業連合会がズワイ ガニとアカガレイ漁で認証を取得したばかり。MSCの取り組みは、一般の消費者の環境に対する意識を行動に移すことができる現実的な仕組みとして、国境を越えて拡大しつつある。欧米を中心に世界39 カ国でMSCラベル付き商品がのべ1,690品目も既に流通しており、スーパーマーケットなどで普通に販売されている。消費者が一目で、それが環境に配慮した製品だということがわかる仕組みであり、また、CoC認証(Chain of Custody認証:漁獲後の加工・流通過程の認証)により、トレーサビリティーも可能。
今回の土佐鰹水産株式会社の取り組みによって、大衆魚であるカツオのMSC認証取得が実現すれば、消費者にとってより身近な国産魚で「環境に配慮したシーフード」の選択幅が広がるとWWFジャパンは期待している。
<MSCについて詳しくはこちら>
WWFジャパン http://www.wwf.or.jp/msc
MSC http://msc-jp.matinee.co.uk (日本語)http://www.msc.org/(英文)
[1] 土佐鰹水産株式会社の設立は1996年9月。一本釣りで漁獲されたカツオ(B1冷凍カツオ)のみを原料に藁焼きかつおたたきを製造しています(藁焼きタタキ製造法に関する特許取得)。2008年2月には静岡の新工場で原漁入庫から製品出荷までの一貫生産を開始しました。土佐鰹水産株式会社の詳細につきましては、 http://www.tosakatu.jp/ をご覧下さい。
[2]MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、WWFと大手食品関連会社が1997年に立ち上げた組織で、1999年に非営利団体として独立、国際的な第三者機 関。魚や貝、エビ、カニなどの漁業で「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続可能な利用を実現する」という条件を満たしたものからつくられた海産物製品につけられるのがMSCラベル。このラベルがつけられた製品は「海の自然を守って作られた製品」であるという証になる。世界ではこの審査を経て認証された漁業はすでに35漁業。審査中の漁業が79ある。世界の天然サケ漁獲量の42%以上、主要な白身魚漁獲量の40%以上がMSC認証に関与している。MSCラベルが貼られた商品は現在39カ国でのべ1,690品目が流通している(2008年7月現在)。認証後も定期的に検査を受け、厳しい審査基準が遵守されているかが確認される。
お問合せ先:WWFジャパン広報担当:町田 水産担当:山内 Tel:03-3769-1713
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