カツオの名産地で知られる高知県で、カツオ漁のMSC認証取得が進められています。国際的な水産物のエコラベルで知られるMSCの認証取得を目指しているのは、土佐鰹水産株式会社のカツオ一本釣り漁業グループ。2008年10月15日に、MSCの認証機関による本審査が開始されました。
環境に配慮したカツオ漁
高知県の水産会社・土佐鰹水産株式会社が行なっているカツオ漁が、国際的な水産物のエコラベルで知られるMSCの認証取得をめざした取り組みを開始しました。認証の取得を目指しているのは、同社のカツオ一本釣り漁業グループで、2008年10月15日に、MSC認証取得のための審査が開始されました。
今回本審査の対象となるのは、遠洋カツオ一本釣り漁業で、さお釣り漁業の中でも最も規模が大きなもの。主な魚場は、中部太平洋と日本の東側の近海で、土佐鰹水産株式会社による漁獲量は、国内遠洋カツオ一本釣り漁業の総漁獲量の約7%に達します。
この、さおを操る高度な技術によって漁獲されたカツオは、高品質のカツオとして市場に流通しており、認証取得が実現すれば「海の環境に配慮したカツオ」が、日本や海外で流通することになります。
また、同社では、漁獲し、冷凍したカツオを原料とした、藁焼きタタキを製造。2008年2月からは静岡の工場でカツオの入庫から製品の出荷までの一貫生産に取り組んでいます。同社はカツオ一本釣漁業のMSC認証の取得が実現した後は、MSCのCoC認証(流通・加工過程の認証)も取得し、MSC認証カツオのさらなる普及を目指してゆきたいとしています。

MSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられる。認証を取得した漁業により生産された水産物には、MSCのロゴマークが、国際的な「海のエコラベル」として付けられ、流通する。
国内第2号の認証取得をめざして
土佐鰹水産株式会社の明神宏幸社長は、今回のMSC認証のための本審査を受けるに際して、次のように述べました。
「弊社は、高知県が土佐藩と言われた頃より櫓を漕ぐ和船で土佐沖に来遊する鰹を一本釣りしていました。3年前にMSCの活動を知り、MSC漁業認証は、まさに我々の先祖代々からの漁法を認める取り組みだと思いました。これこそ危機に瀕している日本のカツオ一本釣り漁業を守り育てる最後の拠り所と認識し、本審査に進むことを決めました。この漁法の漁師の子に生まれたことを誇りに思います」。
日本人にとって馴染み深いカツオでの認証取得は、国内でのMSCの認証と、「環境に配慮したシーフード」の流通を、強く後押しするものとなります。また、どこで、どのように獲られ、流通しているのか、その全てを追跡することが可能なMSCの認証は、食の安全をも保証する一つの手立てといえるでしょう。
カツオ漁では世界でも初めての例となる今回のMSC認証の取得が実現すれば、2008年9月19日に京都府の京都府機船底曳網漁業連合会によるMSC認証の取得に続く、国内第2号の認証漁業が誕生することになります。
WWFは今回の漁業認証の取得に向けた土佐鰹水産株式会社の取り組みに、大きな期待を寄せると共に、MSCの国内での拡大に向けた取り組みを続けてゆきます。
記者発表資料 2008年10月15日
キーワード
MSC, エコラベル, 水産物(シーフード), 漁業
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