2008年7月29日、日本政府は地球温暖化の防止に向けた「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定されました。これは、6月に発表された「福田ビジョン」や「地球温暖化問題に関する懇談会」の提言報告書の内容を実現するためのものです。しかしこの計画には、明確なCO2(二酸化炭素)の排出削減に向けた中期目標が欠けていたり、策定にあたって一般からの意見が全く募集されないなど、懸念される点が見受けられます。

発表された「低炭素社会づくり行動計画」
2008年7月29日、日本政府は地球温暖化の防止に向けた「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定しました。
これは、6月9日の「福田ビジョン」および19日に発表された「地球温暖化問題に関する懇談会」の提言報告書にまとめられた内容を実現するための計画です。
温暖化防止を具体的に進めようとするこの政府の姿勢は、評価に値するものといえます。しかし、その対象期間や、京都議定書の目標達成計画との関係もはっきりしないなど、行動計画自体には懸念される点も見受けられます。
個別の技術対策や施策を並べただけ! 中期目標も無し
そもそも、「低炭素社会づくり行動計画」は本来、日本が低炭素社会を作っていくための、大きな視野を備えたものでなければなりません。
しかし、計画の内容の多くは、他国の動向や、排出削減のための技術や施策の羅列で占められており、「いつまでに、何を、どのような方法で実現するか」といった、より重要な排出削減のための中期目標などは明記されませんでした。
中期目標については最近、南アフリカのように途上国の側からも目標を明らかにする国も出てきており、先進国である日本としては、率先して中期目標を掲げて世界に先駆け、前向きな姿勢を明らかにすることが望まれています。
計画作成に国民の参加なし
また、この国民全体の生活に影響を及ぼす行動計画が作成される過程において、国民の意見を聞く機会が全く設けられなかったことも、大きな問題です。
計画は、わずか1カ月半という極めて短い期間にとりまとめられましたが、その内容が示す通り、国民一人一人の取り組みが必要であるならば、議論を公開し、国民からの意見も集めるべきであったといえます。
さらに、計画に明記されている、日本の温暖化対策として有力な政策である「排出量取引制度」の試行についても、不十分な点が見受けられます。従来と同じように、参加企業などの自主行動計画に大きく依存する傾向が強く、温暖化の防止にどれくらい貢献したのか、検証できない可能性があるためです。
WWFは7月30日、今回の「低炭素社会づくり行動計画」を受けて声明を発表。三つの大きな問題点を指摘し、日本で低炭素社会を実現するため、より開かれた「実行計画」の実現を求めました。
WWFジャパンの声明
2008年7月30日
低炭素社会へ向けて、より開かれた「実行計画」を
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