日本の木材貿易の主要な相手国の一つであるロシア。森林関係の法律が新旧の入れ替わりの時期を迎え、混乱するロシアで、WWFは森林環境を保全するため、2006年から林産企業の「環境格付け」を実施。対象企業がどれくらい環境に配慮して木材などの林産物を調達しているかを発表しました。
調査対象を大幅に拡大! 2006年に引き続き実施
日本の木材貿易の、主要な相手国の一つであるロシア。なかでも、日本から空路わずか1.5~2時間のロシア沿海地方やハバロフスク地方からは、大量の木材が日本に輸出されています。丸太については、2005年には日本の消費量のおよそ44%を、ロシアから輸入しています。
ロシアでは、森林に関する一連の法律(森林法典)が改正されました。しかし現在は、「基本法」にあたる部分が改正されたのみで、森林現場の操業に反映される細かな基準や規則は、これから整備していかなければなりません。そのような移行期にあるロシアでは、どの基準に従えば合法だといえるのか、判断は容易ではありません。
そのような困難な状況の中WWFロシアは、沿海地方およびハバロフスク地方の主要な林産企業合計144社に対し質問状を送付し、その回答等から、環境配慮度についての格付けを実施しました。この調査は、2006年に引き続き実施されたもの。沿海地方の企業に限定した2006年から、2007年はハバロフスク地方にまで調査範囲を広げています。
判定は、FSC(森林管理協議会)の原則と基準にを参考に、生態系への配慮、地域や住民への社会的配慮および事業の安定性の観点から実施され、以下の結果になりました。
| 2006年 調査対象:45社 | 2007年 調査対象:99社 | |
|---|---|---|
| 高水準 | 1 | 1 |
| 中程度 | 5 | 7 |
| 低水準 | 7 | 21 |
| 不充分 | 5 | 14 |
| 不参加 | 27 | 56 |
高い評価を得たのは前回と同じ、わずか1社
2006年にひき続き実施された調査ですが、持続可能な森林経営を行っている「高水準」と判定されたのは、2006年と同じテルネイレス社ただ1社でした。
まだまだ改善の余地のあるロシアの林産企業の環境配慮。この格付けは、信頼できる企業の判定手段として、ロシアと取り引きする日本企業にとっても重要ですが、なかなか改善しない企業の体質に警鐘を鳴らすものでもあります。
WWFは、森林環境を保全するため、そこから生産される、木材や紙などの林産物を、販売・購入する企業に対し、「責任ある林産物の購入」を強く求めています。これは、企業が自らが責任を持って、製品の原産地である森林が適切に管理されているか確かめることを求めるもの。
今回、WWFロシアが現地の地方政府や学術機関と共に実施した、2回目となる調査は、対象企業を前回より大幅に拡大して実施しました。森林生態系の保全に配慮したビジネスを展開しようとする企業にとって、信頼性の高い目安となることを目指しています。
ロシア極東の木材生産者の森林経営評価結果
▼WWFロシアのニュースリリース (英語)
"Ecological responsibility rating among wood enterprises of the Russian Far East"
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