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WWFの活動

紙の偽装表示問題と責任ある林産物の購入

2007年から2008年にかけて発生し、製紙業界にまで及んだ偽装表示問題。企業のモラルが問われることはもちろん、紙の原料の供給そのものの見直しが求められようとしています。持続可能な森林資源の利用、という視点からこの問題を考えた時、企業や消費者には今、何が求められているのでしょうか。
 

発覚した「古紙問題」の陰に

 年賀はがきの古紙配合率が、実際に表記されているよりもはるかに低かった、紙の表示偽装問題。これまでに、コピー用紙などその他の再生紙製品についても、表示されていた古紙配合率を満たしていない製品が、数多く市場に供給されていたという報道が今、注目を集めています。

 これは一方で、利用者や消費者が、使っている紙製品がどこでどう作られたものなのか、積極的にその原材料を確認する必要性についても、考えさせる問題といえます。

今回明らかになった、再生紙製品の「成分」表記と実際の製品に大きな差があることは、もちろん大きな問題であり、不適切なことです。
しかし、もう一つの問題については、まだほとんど注目されていません。それは、配合されるはずだった古紙の代わりに、どのような原材料が使われていたのか、という問題です。

また、一部の再生紙製品が販売停止になったことを受け、代わりにバージンパルプをより多く含む上質の紙を扱う方向へ切り替える動きが、企業の間で早くも出てきていますが、このようにして使われるバージンパルプについても、生態系や原産地の地域社会に配慮したものか、合法的に生産されたものなのか、責任もって確かめられているかどうかについて、ほとんど言及されていません。
これらのことは、原料を調達する際に森林環境へ配慮するという視点が、まだ社会に十分に根付いていないことを示しています。

今後求められるグリーン購入とは?

本当に環境への配慮を掲げるのであれば、今回問題になったような、古紙が表記通り配合されているかどうか、という点だけでなく、バージンパルプから紙を作る際にも、違法伐採された木材や、貴重な自然林を伐採して生産された木材が原料に入っていないか、確かめる必要があります。

すでに、組織として紙の「グリーン購入」を方針に定めている企業などの場合も、従来のように「自社の印刷物では、古紙○○%以上」の紙を使う、といったルールを設定するだけでなく、これからは、全ての製品について適切な古紙の配合率を再検討し、同時にそれがきちんと守られているかどうかについて、積極的に確認していくことが求められるでしょう。

また同時に、バージンパルプを利用する場合については、それが生産される現場の森で、自然環境はもちろんのこと、作業員の安全や先住民の人権といった、地域社会にも配慮したパルプの調達を推進する「調達方針」を立てることが、有効な方法となります。

この適切な森林管理がなされているかを、どう確認するかについては、生産者からこれまで以上に信頼性の高い情報を入手するだけでなく、FSCなどの信頼できる第三者機関が認証した紙製品を調達するなど、外部による確認を重視することも推奨されます。

これまでも、古紙の有効利用と、環境に配慮したバージンパルプの利用が、一般的に木材資源を持続可能な形で利用する、「望ましい」紙の利用とされています。しかし今後は、より具体的に、紙製品を扱う企業が明確な調達方針を立て、その方針に合致しているかどうか、実績を確認していく、という「実践」が求められることになります。

また、消費者もこれまで以上にそのことを意識し、供給する側が製品に付けている表記だけに頼ること無く、自ら確かめていく意志を持つことが重要です。
  WWFは、今回のような問題が再発しないよう、紙の生産業者に強く求めていく必要があるのはもちろんのこと、他の紙製品を供給する企業や、一般の消費者も、その原料がどこからやってきたものか、より関心を高めてもらうことが重要であると考えています。


関連情報

2008年1月22日 共同要望書
FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、WWFジャパンによる
偽装問題に対応したグリーン購入法チェック体制に関する要望書

 
2008年1月31日 お知らせ
製紙会社による再生紙表示の偽装に関するWWFジャパンの対応について


2008/1/23

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