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WWFの活動

審査機関が「逆認定」!APP社の森林破壊明らかに

インドネシアのスマトラ島を中心に、自然林の大規模な皆伐を続ける製紙会社APP(アジアパルプアンドペーパー)社に対し、同社による森林保護を監査する第三者の審査機関が、その現状と取り組み内容に大きな問題があることを指摘。同社との業務契約を打ち切る旨を公表しました。

(C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ (C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ (C)WWF-Canon / Michel TERRETTAZ
HCVFとされた森林
HCVFとされたにも関わらず、伐採された森林

リアウ州セラポンにあるカンパル川流域の伐採許可地の例

初回の審査では、総面積1万9,495ヘクタールのうち7,144ヘクタールが、レインフォレスト・アライアンスにより、保護価値の高い森林(HCVF)と特定された。しかし、2005年10月の審査の結果、1,457ヘクタールのHCVFが伐採されていることが判明した。

(2005年10月7日の審査にもとづき、2006年4月6日に公開された、レインフォレスト・アライアンスの審査レポートより引用)

>>>リアウ州 地図拡大(JPEG)

審査機関レインフォレスト・アライアンスの判断

 世界的に貴重な熱帯林が残るスマトラ島中部リアウ州の森。ここを中心に操業するAPP社が、同社が伐採許可を保有する森林区域内にある、HCVF(保護価値の高い森林)の保護を、初めて公約したのは2003年のことでした。
この公約が確実に実施されたかどうか、外部の検証を受けるため、APP社は2005年7月に、独立した審査機関である「レインフォレスト・アライアンス」と契約を締結。森林の状況を定期的にモニタリングし、HCVFと特定された森が、伐採されずに残されているかどうかを確認し、審査結果を公開することにしました。

 しかし、この契約に基づき、2005年10月、レインフォレスト・アライアンスの森林審査部門であるスマートウッドにより、初めての森林の実地調査が実施されたところ、HCVF保護の観点からは、期待とはほど遠い実態が明らかになりました。範囲が特定されていたはずのHCVFは保護されておらず、焼失していたり、皆伐されている地域が認められたのです。

 スマートウッドは、この実情の改善を求める「改善要求事項」を、APP社に対し、公式に発行。2006年10月には、改善状況を検証するため、再度審査を実施しました。しかし、結果はまたしても惨憺たるもので、要求された事項に対しAPP社が努力した証は見られず、さらに新たな問題さえも発見されました。

 結果レインフォレスト・アライアンスは、APP社との信頼関係を維持しながら契約を継続することは、もはや不可能と判断。2007年2月17日限りで業務契約を解除するとの判断をくだしました。

 

企業は自らの判断で、取引先の選定を!

 今回の、レインフォレスト・アライアンスによる判断は、第三者機関がAPP社に対し、WWFと同様の見解を表明した結果となりました。
WWFはスマトラの熱帯林保全のため、2001年からAPP社に対し、さまざまな働きかけを行なってきましたが、自らの公約にたびたび背くAPP社の姿勢と、前向きとはいえないHCVF保護への取り組みから、これ以上の申し入れは無駄と判断。2004年2月以降、同社との公的な対話を一切絶っています。

 今回、APP社が伐採許可を保有する森林区域で、同社によるHCVFの保護状況を監査する第三者の審査機関が、同社との契約を打ち切ったことは、APPの森林保全に対する姿勢に大きな問題があることを、あらためて明らかにすると共に、スマトラの森が今も大きな脅威にさらされていることを示すものといえます。

 そして、このことは、日本とも決して無関係ではありません。
日本で現在使用されるコピー用紙の約30%は、インドネシア産といわれています。これらの製品が、環境に配慮していることを謳っている例も多くありますが、本当に、環境や地域住民にも配慮されて生産された紙製品かどうかは、疑わしい場合もあります。
一般の消費者に、環境破壊型の製品を供給しないように、紙製品を取り扱う日本の企業は、自らの責任として、その供給元の実態を真剣に検討し、取引先を選んでいくことが求められています。

レインフォレスト・アライアンス公式声明:2007年1月 (仮訳)

インドネシア、スマトラ島におけるAPP社との、
保護価値の高い森林(HCVF)を検証する業務契約解除の件

Termination of Contract to Verify High Conservation Value Forests (HCVF) for APP in Sumatra, Indonesia

関連情報

  レインフォレスト・アライアンスとは

森林に関係の深い農産物が、自然の生態系維持や地域住民の権利を保証しながら育てられていることを、認証する制度を作っている非営利団体。認証の対象とする農産物として代表的な物に、コーヒー、バナナ、パイナップルなどが挙げられます。

レインフォレスト・アライアンスの公式HP(英語):
http://www.rainforest-alliance.org/

APP社の森林審査に関する詳細は、以下に記載されています(英語):
http://www.rainforest-alliance.org/programs/forestry/smartwood/app.html

  スマートウッドとは

レインフォレスト・アライアンスはFSCの制度にもとづく森林認証の監査も実施していますが、認証機関のひとつである「スマートウッド」の委託を受けて、森林の審査を行っています。

 

2007/2/14

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