東南アジアのボルネオ島で、カメレオンのように体色を変化させる新種のヘビが発見されました。このヘビをはじめ、ボルネオ島で過去10年間に発見された新種は361種。しかし、これらの野生生物の生息地である島の熱帯林は、伐採やアブラヤシの植林などによって激減し、現在も深刻な森林破壊が続いています。
今回発見された新種のヘビEnhydris gyii 。森林破壊が進み、森が奥部まで切り開かれたことで、これまで知られていなかった「新種」が発見されるケースは多い。
(C)WWF-Germany/Mark Auliya
カメレオンのような新種ヘビ?
東南アジアのボルネオ島で、新種のヘビが発見されました。このヘビは、WWFが熱帯林保全活動を支援している、ボルネオ島のカプアス川周辺の湿地帯で、2003年に2個体が採集されたもの。体長は約50cmで、ナミヘビ科ミズヘビ属の毒ヘビと見られています。
このヘビ、捕獲時にカメレオンのように体色を変化させ、研究者を驚かせました。WWFのコンサルタントを務めるドイツの爬虫類研究者マーク・アウリア博士が、捕獲し、バケツに入れたヘビを数分後に取り出そうとしたところ、赤褐色だったはずのヘビの色が、白く変わっていたのです。
体の色を変えるヘビは世界的に珍しいとされており、その現象は科学的にはまだほとんど解明されていません。
アウリア博士はその後、2人のアメリカ人科学者と共に、このヘビが持つさまざまな特徴から新種と判断し、2005年に学会に報告。学名をEnhydris gyii 、英名をKapuas Mud Snake(和名仮称:カプアスカワヘビ)と名付け、新種のヘビとして発表しました。
このヘビは、発見されたカプアス川流域にしか生息していない、固有種である可能性が高いと見られています。
最後の秘境に危機が
今回発見されたヘビをはじめ、ボルネオ島では、過去10年の間に361もの新種の野生動植物が発見されてきました。これは月平均で換算すると、毎月3種が発見されている計算になります。
ボルネオ島の野生生物と、2,200万ヘクタールにおよぶ熱帯林の保全に取り組む、WWF「Heart of Borneo:ハート・オブ・ボルネオ」プログラムのスチュアート・チャップマンは、今回の珍しいヘビの発見について、「人の目に触れることが無かった自然界の秘密が、ボルネオ島の奥深くにまだ存在していることを物語っている」と、コメント。さらに、このヘビの生息環境も脅威にさらされていることを指摘しました。
ボルネオ島では1980年代半ばに島の75%を覆っていた熱帯林が、伐採やアブラヤシ(パームオイル(ヤシ油)の原料となる)の植林によって激減。現在は、島の面積の50%まで失われており、さらに破壊が進もうとしています。
WWFでは、ボルネオ島を領有するブルネイ、インドネシア、マレーシアの三国政府に呼びかけ、共同で熱帯林の保全に取り組むための行動計画を策定。その実現に向けたワーキング・グループの立ち上げなどを進めています。
関連情報
記者発表資料 2006年6月27日
ボルネオ島には、カメレオンのように体の色を変化させるヘビがいる
WWFインターナショナルのページ
▼この記事のオリジナルはこちら
New chameleon-like snake discovered in the Heart of Borneo
http://www.panda.org/about_our_earth/about_forests/forest_news_resources/?73220/Heart of Borneo Forests
http://www.panda.org/what_we_do/where_we_work/borneo_forests/
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