記者発表資料 2004年2月13日
【マレーシア、クアラルンプール発】 2004年2月12日、インドネシア政府林業省は、生物多様性条約第7回締約国会議開催中のクアラルンプールで、2004年に新たに12箇所の森林保護区(総面積 100万ヘクタール)を設けると発表した。これは、WWF主催のサイドイベントのなかで発表され、WWFは、これによってゾウ、トラ、オランウータンなどの絶滅の危機に瀕する野生生物の保護に弾みがつくだろうと歓迎した。保護される森林は、500以上の異なる先住民族社会の人々が生きていく上で欠かせない ものでもある。
インドネシアの森林とその森林に依存する動物・植物、そして先住民は、違法伐採・森林転換・生息地の消失と同時 に、政府の統治力の弱さや法律が実施されないなど、非常に大きな脅威に晒されている。このことが、インドネシアに年間約360万ヘクタールの森林消失と約 40億米ドルの損失という結果をもたらしている。
インドネシア林業省の森林自然保護局長のコーズ・サッパリアディ氏は「新たな保 護区の設立は、生物多様性条約のもとで我々の義務を果たすという、インドネシアによる約束の一部である。これらの森林の保全は、インドネシアとその国民だけでなく、国際社会にとっても重要である」と語った。
新たに設置される予定の12の保護区には、野生生物の生息地として非常に重要なテッソ・ニロとボルネオ島のセバンガウが含まれている。テッソ・ニロはスマトラ島に残された最大の熱帯低地林であり、WWFの調査によれば、推定 350頭のスマトラゾウと絶滅の危機に瀕するスマトラトラの重要な個体群の生息地であることがわかっている。またWWFの調査によって、テッソ・ニロでは、200平方メートル当たり218種の維管束植物が記録されており、科学的に調査された中で最も維管束植物の種の多様性に富んだところであることがわかっている。しかし、テッソ・ニロの森林は、30万ヘクタール以上が1984年以降すでに商業目的のプランテーションに転換されており、今日では18万ヘ クタール以下が残るのみである。WWFでは、もし今の状況が続くなら、世界の最も多様性に富む森林の一つが消失してしまうことになると指摘している。
ボルネオ島に現存する最大の熱帯低地林、セバンガウは推定2500~4500頭のオランウータン個体群の生息地である。ここでは、ダヤク族の地域社会が、 一貫して、この広大な泥炭湿地林の生態学的かつ精神的な価値を認め、セバンガウに残された森林の効果的な保全と持続可能な利用を主張してきている。これら森林への脅威に取り組むには、地域社会が願っていること、その安寧、持続可能な生活を確実なものとするために、協調して努力することが必要であると、WWFは強く訴えている。さらに、企業セクターからの支持と協力も必要である。
WWFインターナショナル事務局長のクロード・ マータンは「今回のインドネシア政府の公約はそれが実現したときに世界的な意義を持つだろう。政府、環境団体、産業界、地域コミュニティ、そして助成機関が、これらの誓約を完全に実現化させ、また将来世代のために、これらの保護地域で効果的な管理が確実に実施されるよう協力する必要がある」と語った。
インドネシアに設立された保護区が名前だけのものにならないように、インドネシア政府はWWFによって開発された手法を用いて、これら保護区の管理内容について評価する予定である。そのアセスメントの結果をもとに行動計画が策定され、その計画を確実に実施するために、より幅広いパートナーシップが作られることになるだろう。
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