WWFについて

WWFの歴史

WWFの歴史

(6)未来に向けて

20世紀は、人類がこれまでにない、物質的な豊かさを手にした時代でした。
そしてその代償として、自然環境を大きく損なった時代でもありました。今、これからの100年にあたる21世紀は「環境の世紀」になるといわれています。

深まる地球環境の危機

1990年代は、日本でも問題意識が高まり、学校やニュースなどで、盛んに地球環境問題のことが取り上げられるようになった10年間でした。NGOのような民間の団体や市民グループも、環境問題をテーマとした取り組みを、数多く行なうようになりました。

世界的に見ても、新たな環境問題として注目され始めた地球温暖化をはじめ、さまざまな問題について、環境NGOの活動が活発になりました。

しかし、さまざまな環境保全が、世界的に進んだかというと、必ずしもそうではありませんでした。

20世紀最後の年、2000年にIUCNが刊行した最新版の『レッドリスト』、すなわち、絶滅の危機に瀕した野生生物のリストに掲載された、絶滅の恐れのある動植物の種数は、ついに1万種を突破。野生生物の危機と、その原因である世界的な環境悪化の現状が、浮き彫りにされました。

また、今では世界最大の環境問題と言っても過言ではない、地球温暖化問題についても、決定的な打開策はいまだ見えないままです。

温暖化に関するさまざまな情報が発信され、省エネなどの機運が高まる一方、1992年の地球サミットで「国連気候変動枠組み条約」が採択されてから十数年が経つにもかかわらず、国際社会のリーダーたちは、いまだ積極的なその防止策を打ち出せないでいるのです。

その他にも、水資源の枯渇や砂漠化、大気や土壌、人体や野生生物の汚染、国や地域を越えて広がる外来生物の脅威など、地球の環境と私たちの未来を脅かす問題は、跡を絶ちません。

2002年に南アフリカのヨハネスブルグで開かれた環境開発サミット。環境問題に対する先進国の消極的な姿勢が目立つ結果になった。
© Chris MARAIS / WWF-Canon

「環境の世紀」の実現をめざして

たくさんの人に支えられ、たくさんの人々と共に歩み、大きくなってきたWWFの活動。それは、自然保護活動の広がりと同時に、環境問題そのものがより一層大きくなってきたことを物語るものでもあります。

WWFは1996年から2000年にかけて世界各地で展開した「生きている地球キャンペーン」の中で、「生きている地球レポート」を発表し、自然環境の劣化と、人間による消費活動の増大に対して、再度警鐘を打ち鳴らしました。

「今の地球環境は、約40年前と比べ3割以上もその豊かさを失っている」、そして、「現代の人類は1年間に、地球1個分の生産力を上回る大量消費を続けている」というのが、その趣旨です。

それは、1990年代の初め、「かけがえのない地球を大切に」の中でWWFが訴えた、「地球環境の保全」と「持続可能な社会」の実現と、全く逆の傾向を示すものです。

ヨハネスブルグ・サミットで子どもたちのメッセージが入った地球を、国連のアナン事務総長に手渡すWWFのエメカ・アニョク総裁。
© Chris MARAIS / WWF-Canon

20世紀は、人類がこれまでにない、物質的な豊かさを手にした時代でした。そしてその代償として、自然環境を大きく損なった時代でもありました。今、これからの100年にあたる21世紀は、「環境の世紀」になるといわれています。

私たちの目の前には、今も大きな、そしてさまざまな障害が立ちふさがっています。しかし、諦めるわけにはいきません。「環境の世紀」を、掛け声だけで終わらせるわけには、いかないのです。

設立から約半世紀。WWFの理念を、そして活動を支えてくれたのは、世界の400万人を超える、寄付者や会員の方々でした。私たちは決して、一人ではありません。私たちには、未来を変える力があります。

これからの50年、そして100年。地球の未来を考える世界の人々と共に、WWFはこれからも活動を続けていきます。

本当の「環境の世紀」を実現するために。

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