WWFについて

WWFの歴史

WWFの歴史

(5)新しい出発

環境問題が世界的に注目されるようになってきた中、1986年、WWFはその名称を改めました。「世界野生生物基金(World Wildlife Fund )」から「世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature)」へ。野生生物の保護から、地球環境の保全へ、その活動と使命が拡大していることを知らせるためです。

かけがえのない地球を大切に

名称の変更は、「動物を守る団体」として、世界に名を知られるようになっていたWWFにとって、大きな転換点となりました。そして、活動には新たな展望が見えてきました。野生生物のために環境保全を始めたWWFは、その取り組みが人間自身の未来のためのものでもあることを、より強く意識するようになったのです。

実際、日常の中で、人間が消費しているさまざまな製品や食糧の多くは、海や森、自然から生み出された資源であり、生命です。野生生物や環境を守り、また人類自らが生きてゆくためにも、地球の恵みを長く受け続けることのできる、文字通り「持続可能」な世界を作らねばなりません。

「世界自然保護基金」と名称を改めたその5年後、設立から30年を迎えたWWFは、1991年、再びIUCN、UNEPとともに、「新・世界環境保全戦略 かけがえのない地球を大切に」を発表しました。

これは、環境を圧迫している一方的な自然資源の消費をくい止め、持続可能な社会を実現するための9つの原則と、より具体的な132の行動規範をまとめたものです。

これは、翌1992年にブラジルで開催された地球サミット(国連環境開発会議)でも高く評価され、1993年の「生物の多様性に関する条約(生物多様性条約)」の発効にも大きく寄与することになりました。

1992年のブラジル、リオ・サミット© Juan PRATGINESTOS / WWF-Canon

持続可能な社会をめざす

WWFはまた、「持続可能」な社会を目指すための、実際の仕組み作りにも挑戦しました。

森の自然を守りながら木材を生産し、魚を獲り尽くさないよう配慮しながら漁業を行なうためには、どうすればよいか?

しかも、それを世界共通の環境を守る手段として確立するためには?

その代表となる取り組みが、FSCとMSCの設立支援です。

WWFは1993年、木材を扱う企業や、木材の生産現場である森で生活する地域社会の人々と協力し、FSC(森林管理協議会)を設立しました。FSCは、森の自然や地域社会を壊さぬよう、配慮しながら行なわれる木材生産を「認証」する、国際的な認証機関です。

さらに、FSCの認証を受けた木材や紙などの木材製品には、独自のエコラベルが付けられ、販売されます。つまり、このFSCの認証製品が、環境や人々に配慮して作られたものである、ということが、一般の消費者に店先で分かる仕組みになっているのです。

持続的な森林の利用を目的に設立されたFSC(森林管理協議会)© Edward Parker / WWF-Canon

NEXT

(6)未来に向けて

20世紀は、人類がこれまでにない、物質的な豊かさを手にした時代でした。
そしてその代償として、自然環境を大きく損なった時代でもありました。今、これからの100年にあたる21世紀は「環境の世紀」になるといわれています。